2017/02/27
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| 第一章 住吉講及び常夜石灯籠の歴史(8) |
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(八)令和3年「御大典記念」の改修2
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(い) 令和の改修工事は改修ありきでは無かった。
6回目を迎える令和の積上げ改修工事に関しては以前の5回の改修工事とは大きな違いがありました。5回目の改修工事が行われた1991年「平成3年の大改修」から業界の状況が大きく変化していました。私は1985年より毎年の住吉講は参加させて頂きこの変化を体感しています。 1985年当時の住吉講直会には東京をはじめ全国各地の玩具・人形業界の方々が参拝され、大阪住吉講も含め100〜120名の参加がありました。 しかしこの頃より、玩具・人形業界を取り巻く環境は大きく変化し、大阪の業界は年々縮小してきました。また業界の世代交代が進むと同時に新しいメーカーもジャンルを超え業界に多く参入し、中心は東京へと変化していきました。これらの変化に住吉講の信仰と結束がうまく継承する事が出来ず、近年の住吉講直会には20名を切る事もありました。 2019に私が講元を引き継いだ時に、毎年東京より参拝頂き5回の改修工事に名を連ね、300年の歴史を持つ東京のマスダヤの斎藤社長に、 「この常夜石燈籠は日本史においても、僕達業界にとっても、とてつもなく大きな遺産なのに、東京ではほとんどの人が知らないから、全国の業界にアピールしないと。」と言われ、今まで組合の一つの事業として参加していた私は愕然とし「翫物商常夜石燈籠二百四十年史」を何度も読み返しました。 私達の先人は業界の発展と安全を住吉さんに祈願しただけでなく、その時代その時代に世相に振り回された業界内の安定や発展、生産・価格等の全国の統制 、結束して色々な問題を解決する現在の組合的な動きとして全国の中心として存在していた。 それゆえ大阪だけでなく東京・名古屋・京都を含む地方より多くの参加があり、裏付けるように5回の改修工事で記名された人物、会社は東京含む多くの地方の方々が多く記名されています。 埋もれ消滅しそうな私達業界の大きな遺産をなんとしても守り後世につなげて行くためには全国の玩具人形業界の方々に認知して頂くことが急務と考えました。 まずは日本玩具協会 富山前会長、東京玩具人形組合 山縣理事長(共に2019年)に相談させて頂き、業界の協会・組合内での広報を了解いただくにとどまらず後押し頂く事となりました。 このように、数年かかろうとも全国の玩具人形業界の組合・協会の会合に時間を頂き住吉さんの翫物商常夜石燈籠のご説明をさせて頂き、業界の方々に認知して頂く事が第一の目的でした。 全国へのアピールする為の会議を重ね260年の歴史を紐解く上で、同年2019年5月1日、天皇陛下が御即位になり、「平成」から「令和」へと改元されました。 2020年が「令和御大典記念」と位置付けると、「大阪玩具・人形住吉講創設60周年記念」、「翫物商石燈籠建立260年記念」と三つの大きな記念年日が重なる事となります。 また、「第3回 昭和3年の積上げ大改修」「第5回 平成3年の積上げ大改修」と改修工事の周期30年にあたる年度が、まさに「令和2年改修工事」となります。「令和2年」に大阪玩具・人形住吉講にとって、4つの大きな記念日が重なる事に私達は正直震えました。 まずは、「住吉神社 翫物商常夜石燈籠」認知して頂く為に動き始めたプロジェクトでしたが、私達は私達先人の、住吉大社からの思し召しと、積み上げ改修工事を決断しました。
(ろ)立ちふさがる二つの壁
私達は、全国の玩具・人形業界に常夜石燈籠の認知・再認知して頂くと同時に歴史的な四つの記念日を2020年11月に実行するために動き始めました。 第一の壁は、大阪玩具・人形住吉講を支援・援助する大阪玩具人形問屋協同組合連合会の縮小に伴い、事務局長の度重なる交代、そして事務局移転、この間に昭和以降の住吉講関連資料が全て紛失していました。直近の平成の大改修工事の予算も業者の資料も何も無く、当時携わった方々も引退され全くゼロからのスタートとなりました。 第二の壁は、取り組んだ2019年末、中国を発症として世界的に猛威を振るうコロナ禍に日本も突入した事です。手探りの未知のウイルスに国内の対応も時間とともに変化し長期化しました。日本で期待された「東京2020 東京オリンピック」さえも翌年に延期され観戦者も規制された事は記憶に新しいと思います。このような中で会社のリモート・出勤規制も始まり、見本市・商談会・組合事業も規制の対象となりました。 日本玩具協会・東京玩具人形協同組合をはじめとする全国の業界の協会・組合にご説明に上がろうとアポを取り始めた矢先、多くの説明させて頂く機会を断念せざるを得ませんでした。積み上げ改修工事どころか、「翫物商常夜石燈籠」の説明する場所もなく暗礁に乗り上げてしまいました。 延期も考えましたが、偶然にも?4つの歴史的な記念日が重なる2020年は私達の使命だと話し合い決行を決意しました。
(は)寄進記名募集開始
記念式典はともかく、石燈籠の積上げ改修工事に関しての資料は皆無でしたが、この「翫物商常夜石燈籠二百四十年史」と住吉神社様との資料を基に業者・工程・費用等実質的な見積もりを作成しました。 2基の石燈籠の解体・増台・彫刻・再建・地鎮祭などの祭典費用として総額を出し奉納者記名金額を算出し2020年3月末に応募を開始し5月1日を締め切りとしました。この締切日は同年11月の記念日の完成から是非のぎりぎりの日程でした。 第一の壁はこの本と住吉神社様のご協力により何とか形は作る事は出来ましたが、第二の壁「コロナ禍」は東京・大阪を中心に感染拡大縮小を繰り返し全国の協会・組合にご説明の機会を得る事も無く業界紙と業界の方々のお力を借りる他手の打ちようがありませんでした。期日前には目標130行(平成の改修工事の行数)の半分ほどしか集まらず、再度日本玩具協会 富山前会長、東京玩具人形協同組合 山縣理事長 斎藤副理事長(共に2019年)にお願いしご協力を頂きました。最終は奉納者記名、全部で56(会社・団体・個人名)行にして91行となり、改修工事のボーダーラインはなんとかクリアーできました。 業界の方々、各種団体、組合様に心より感謝を感じるとともに、講元としてこの一月間は震える毎日でした。
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(に)地鎮祭と積上げ工事着工
2020年8月17日(月曜日)地鎮祭 この日もコロナ禍での式典の為、大阪玩具・人形住吉講役員と工事関係者でしめやかに執り行われました。
(ほ)工事着工
工事の方は地鎮祭終了後まもなく開始され10月20日を完成予定とし着工されました。 4m×4mの台座 高さ8m以上の解体は大きなクレーンを本宮前に設置し、上部から丁寧に解体されていきました。 私達の大きな心配は、大きな石燈籠を支える台座の中の状態でした。260年前に寄進されその後5回の予定されていない?積上げをしてきた状態が、今回の6回目積み上げに耐えうるものか?石材職人の丁寧な測量と状況判断で無理すれば7回の積上げが可能。と言う心強い判断がされ、一同胸をなでおろしました。 工事の過程において、「石燈籠の積上げ改修工事」とは、一番下の台座が令和の改修工事の記名がされるプレートとなる為、上部の石燈籠を撤去した後、年代ごとの段を上から外し、全て撤去した上に一段新たに施工しその後また年代の一段を積上げるイメージでしたが、写真でもわかるように中心に大きな土台があり、土台の上部を上部につぎ足し、新たな段を形成し、年代のプレートを一段ずつ上に張り付け、前回平成の改修工事の記名プレートの所に令和のプレートが貼り付けられる手法でした。 工事も事故もなく順調に進み、9月末に墨入れを完了し10月上旬に威風堂々の9m以上の高さの二基の常夜石燈籠は完成いたしました。
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(へ)追加工事
また新たに石燈籠の改修工事に留まらず以下四つの追加工事も付け加え、より一層住吉大社翫物商常夜灯の魅力を広く伝える事としご報告させて頂きます。
壱)平成改修工事では技術面・予算面で見送った燈籠のライトの設置をする事にしました。以前に燈籠内部に配管されていたパイプを再構築し、「常夜灯」にライトを設置、住吉大社の了解を得て太鼓橋のライトUPと同時刻日没より夜8時まで毎日点灯して頂くことになりました。
弐)石燈籠に「翫物商」と大きく彫り示されておりますが、現代の一般参拝者には「翫物商」=「玩具・人形業界による寄進」とは認知・理解されておりません。今回の改修工事と同時に石のモニュメントを作成し、北基・南基両方に「玩具・人形業界による寄進」「260年の歴史」「現在も続く住吉信仰」を伝えるべく設置いたしました。 石のモニュメントの設置に際し住吉神社様のご理解を頂き感謝しております。
参)モニュメントでは説明に限りがある為、QRコードを設定し説明プレートにはりつけ、大阪府玩具人形問屋協同組合連合会のHPの「住吉講」のサイトに飛び、詳しく説明がわかるようにいたしました。
四)また、2020オリンピック開催は延期され、2021開催に期待と、2025大阪万博での海外の多くの訪日観光客に「日本の玩具・人形業界が寄進し260年守り続けている」と英語で印字し、同じくQRコードにて「住吉講」のサイトに英語で解説できるようHPの「住吉講」の要約文を英語表記し外国人への認知もして頂けるように設定しました。 完成いたしますと全高9mに届く高さとなり、住吉大社内でも数十年振り、しかもメインの燈籠とあって、内外ともに注目を集めております。
今年の式典へのご出席のお願い
今年11月20日開催予定の 「大阪住吉講の60周年」 「翫物商石燈籠建立260年記念」 「令和御大典記念」 「令和2年改修工事完成 除幕式」 に関する事ですが、今回の改修工事には多くの東京をはじめとした地方の方々からご協力を頂いております。コロナ禍で11月の状況の予想がつかない中、4つの大きな祝い事を不安定な中で予定するのはあまりにも残念なことです。住吉大社とも相談をし、今年の11月20日は限られた参加者で式典を執り行い、公的には来年の11月19日金曜日に設定し、盛大に開催する事にいたしました。 この今年の11月20日の記念日の様子を写真に収め、今回のご協力を頂いた、企業・個人・団体様に、平成改修工事に作成いたしました「翫物商常夜石燈籠二百四十年史」を改め「翫物商常夜石燈籠二百六十年史」として写真と新たな歴史の文面を入れ込み、来年早々送らせて頂きたいと思います。この時、「大阪住吉講の60周年」 「翫物商石燈籠建立260年記念」「令和御大典記念」 「令和2年改修工事完成 除幕式」の記念盾とともに送らせて頂きたいと考えております。
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